「性格の不一致」で離婚できるか?
「何人かの弁護士の先生に相談したんですけど、性格の不一致じゃ離婚できないよって言われちゃったんですけど、やっぱり無理なんでしょうか?」
開口一番、そのように切り出されるご相談者は、意外に多い。
私は、性格の不一致こそ、婚姻を継続しがたい重大な事由の典型例だと考えている。性格の不一致は、靴擦れのようなものだ。初めはあまり気にならない。でも、だんだん痛くなる。そのうち皮膚が切れて血が滲み始める。やがて、もうこれ以上は歩けなくなる。
大切なことは、たったの6文字の「性格の不一致」の中身を、どのように裁判所に伝え、裁判所に本件「性格の不一致」が「婚姻を継続しがたい重大な事由」だと理解して貰うかにかかっている。裁判官に、これまでの婚姻生活のドキュメンタリー映像を観て貰うかのように、一つ一つの事実を丁寧に積み重ね、生き生きとしたストーリーを語る。「この夫婦はもう続けられないよね、さすがに」と裁判官が心底感じたとき、離婚への道が開ける。
先日、裁判上の和解離婚に至った事案も、まさにそのような事案だった。弁護士を頼んで離婚調停を起こしたが不調になり、頼んでいる弁護士から「裁判では勝てない。このまましばらく別居を続けて、数年経ってからもう一度調停を起こしましょう」と言われて意気消沈し、冒頭の質問を開口一番に発したクライアントだった。
関連記事
-
9億以上の請求を斥けて離婚勝訴判決獲得
財産分与・慰謝料・未払婚姻費用の合計9億円以上の請求がなされた離婚事件につき、東 …
-
交渉、調停、訴訟
クライアントの希望を実現する方法として、交渉、調停、訴訟という3つの方法が挙げら …
-
相手方の特有財産の売却代金の半額を財産分与として取得
離婚の際の財産分与においては、婚姻期間中に形成された財産を夫婦共有財産として分割 …
-
セカンドオピニオンの勧め
「いま、弁護士さんに頼んで交渉(調停・訴訟)をしていますが、このままお願いしてい …
- PREV
- 交渉、調停、訴訟
- NEXT
- 反社会性パーソナリティー障害